YIA受賞者・報告記
2024年度 (第34回日本心血管画像動態学会) 受賞者
- 氏名
- 野原 大彰
- 所属
- 大阪労災病院 循環器内科
- 発表学会名
- European Society of Cardiology Congress 2024
- 会期
- 2024年8月30日〜9月2日
- 演題名
- Relationship between diastolic hyperemia-free ratio and fractional flow reserve in patients with aortic valve stenosis
- 発表形式
- Moderated Poster Presentation
学会参加報告記
この度、2024年8月30日から9月2日まで英国Londonにて開催されたEuropean Society of Cardiology (ESC) Congress 2024に現地参加させていただきましたため、ご報告させていただきます。ESCは心疾患に対する最新の臨床試験や研究結果の発表を通じて、心臓病分野の進展を目的としている世界最大規模の学術集会として知られています。
私の発表は、拡張期圧の安静時指標であるDFRと冠血流予備量比(FFR)との関係を大動脈弁狭窄症の観点から比較した研究です。安静時指標は、左室肥大や末梢循環障害を強く受けるため、そのような病態を含む疾患での虚血評価には注意を払う必要があると考えています。非侵襲的虚血評価、心不全が主流となる中、この単施設研究を採択いただけたことは自信になると共に、今後のモチベーションとなりました。また、国際学会での現地発表は今回が初めてであり、とても緊張しましたが、海外の医師からも今後の研究に役立ついくつかの質問をいただき、議論できたことで大変貴重な体験をさせていただきました。自身と同年代の若手医師の登壇も多く、広い視点からの活発な議論が目立つ事も印象的であり、Hot Lineセッションでは、心筋梗塞歴のある安定患者におけるβ遮断薬中断の安全性に関するABYSS試験やTAVRを受ける患者におけるPCIに関するNOTION-3試験など、世界からさまざまなランダム化比較試験が発表されるのを目の当たりにし、たくさんの刺激を受けました。
最後になりますが、ESC Congress 2024への参加にあたり助成いただきました日本心血管画像動態学会の関係者の方々へ、この場を借りて心より感謝申し上げます。Cardiac imagingに精通したinvasive proceduresのできるcardiologistをめざし、これからも精進して参ります。有難うございました。